Gen Adachi 
足立 元
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​日本近現代の美術史・視覚社会史を研究。
美術の枠を超えようとした人々、あるいは絵筆を折ってしまった人々に関心を持っています。
「前衛の研究」よりも「研究の前衛」でありたい。
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2017年から二松学舎大学文学部国文学科専任講師、2022年から同大学准教授。


​主な著作
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「日本の社会派アート 祝祭と暴力のイメージ200年」『メディア芸術カレントコンテンツ』2021年9月-2023年2月

1. ​帝国日本への反逆(リンク)
2. 戦争への抵抗(リンク)
3. 日本最初期のフェミニズム・アート(リンク)
4. 水平社運動のマンガ(リンク)

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『裏切られた美術 表現者たちの転向と挫折 1910-1950』ブリュッケ、2019年6月

戦前から戦後にかけての50年間、美術・漫画・記録映画と社会運動の危険な交わり。

第1章 芸術家と社会―戦前から戦後にかけての左翼思想と美術
第2章 鎖を引きちぎろうとする男―幸内純一の『近代思想』挿絵と「鎖」の表現史
第3章 地方のプロレタリア美術―移動展と地方支部
第4章 何が彼らをそうさせたか―プロキノの移動映写・展覧会活動
第5章 小野佐世男―逆説の漫画家・空談家
第6章 藤田嗣治の漫画―望月桂と雑誌『バクショー』との関わりから
第7章 破壊のための美術史―中原佑介「日本近代美術史」をめぐって
第8章 大塚睦―予見者・反逆者・哲学者
第9章 前衛のちひろ一九四七‐一九五二
第10章 サドの眼―前衛記録映画とモンタージュ絵画

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『前衛の遺伝子 アナキズムから戦後美術へ』ブリュッケ、2012年1月

1900年代から1950年代に至る日本の前衛芸術を、アナキズム、共産主義、軍国主義、占領政策との関わりから論じる。先鋭的なイメージが社会思想とともに生成消滅してきた構造を明らかにする。(序章リンク)

最近の著作から
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「水平社運動のマンガ 西光万吉が描いた熱と光」『メディア芸術カレントコンテンツ』2023年2月(リンク)

『水平新聞』に掲載された漫画、水平社運動のグラフィックについて考察。それらのイメージがこの運動の原理を示すものであり、表現としては小川芋銭や柳瀬正夢を受け継ぎつつ、プロレタリア美術と戦争美術のあいだのミッシングリンクを埋めるものであることを論じた。

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書評「大尾侑子『地下出版のメディア史』」『図書新聞』3556号、2022年8月、3頁

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「日本最初期のフェミニズム・アート」『メディア芸術カレントコンテンツ』2022年8月(リンク)

日本における最初のフェミニズム・アート宣言について。尾竹紅吉(富本一枝)「新しい女は瞬間である」(1913年)は、「新しい女」であることの正当性を絵画における必然性(公理)の観点から論じたもので、彼女の文章は今こそリアリティを持つことを指摘した。

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「『水平新聞』の漫画」『月刊アナキズム』2022年8月、7頁

新しいアイデアのエスキースのようなものとして。

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「前衛のアポトーシス 政治-芸術の消滅と転生」『美術フォーラム21』2022年7月、24-30頁

『前衛の遺伝子』の補遺となる論考。日本近代の「前衛」とは何か、何が「前衛」を殺すのか、「前衛」が失われて現在にどうのようにつながるのかを、ダイアグラムを用いて論じた。

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Gen Adachi. 'Kokuyokai: An Anarchist Avant-Garde Art Collective in Modern Japan.' Group Dynamics: Collectives of Modern Period. Munich: Lenbachhaus Museum, 2021. pp.19-21.
(英文、ドイツ語への翻訳つき)
2021年11月から2022年6月までドイツ・ミュンヘンのレンバッハハウス美術館で開催されたGroup Dynamics展の図録に寄せた文章。黒耀会の紹介と現代的な意味について。


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